FAXDMで儲かるかどうかを知りたいという方が多いと思います。
簡単にシュミュレーションする方法と、さらに改善の要点をまとめました。
FAXDMでの2ステップでの営業
FAXDMでの営業方法はツーステップでの営業が標準みたいなものです。
もちろん例外もあります。
2ステップの営業 とは、お試し、本申し込みのように2段階以上のステップを設け商品やサービスを販売する方法です。
なぜ2ステップの営業かと言えば、本当に売りたい商品をいきなり営業しても売り込みにくい。集客用の商品を用意して、本当に売りたい商品の見込み客を集めて、関係づくりをしっかり構築してから、本当に売りたい商品の営業する方が成約確率が上がるからです。
最初のステップの集客用の商品としては、小冊子やDVDの無料贈呈、無料セミナーがよく使われます。集客用の商品はよくフロント商品と言われます。
次のステップでは、見込み客に対して、本当に売りたい商品を紹介していきます。この商品をバックエンド商品と言います。
例えば、税理士のセミナーの場合
- FAXDMで顧客の課題を解決するセミナーを告知して集客
- セミナーにて課題の解決の糸口を紹介して、顧問契約を提案して成約に結びつける
という流れになります。
セミナーで、経営者の立場にたって考えられる税理士だということをアピールして、顧問契約を促進するためのオファーを設けて営業します。
ワンステップに比べて手間が掛かりますが、テレアポや訪問営業するよりはコストが安く済みます。
収益シュミレーションのポイントは、バックエンド商品が売れてはじめて売上が立つというところです。
このツーステップ営業でどうやれば利益を出せるのかをシュミュレーションします。
FAXDMの反応率は平均が0.1%から0.3%です。
そうすると10人集客しようと思うと3千枚~1万枚のFAXDMを送信することになります。
セミナーに来てくれた10人の中から一人と契約したとしたら、どれぐらい儲かりますか?
それがFAXDMの送信費をカバーできるぐらいの金額でしょうか?
1枚送信に10円のコストが掛かるとすると1万枚で10万円です。
あなたの商品・サービスが、
コンサルティング系ならウン十万の値段かと思いますので元は取れますね。
でも、月額1万円のサービスなら?元は取れない?どう考えれば?
その場合は、平均的な継続期間を価格に掛けてください
月額1万円のサービスが平均12ヶ月継続してもらっているものでしたら12万円です。
元は取れますね。
売上に対する広告宣伝費用の比率を20%以下に抑える
その計算だと、人件費とか、会場費とかも入ってないでしょう。
元なんて取れてませんよ!とツッコミが入るかもしれません。
あなたの人件費、スタッフの人件費を入れて計算してもらえればいいのですが、計算が複雑になってきます。
簡単に考える方法として、売上に対してFAXDMの費用は2割以下に収まっているかと考えます。
この2割というのは、広告をよく使う業種である通販・サービス業の売上高に対する広告宣伝費率を元にしています。
私の人脈のデータでしかないのですが、通販・サービス業の方に聞くと、返ってくる数値が2割なのです。
その他の業種であればこれ以下です。
20%以上であるなら、儲けているとは言えず、改善が必要ということになります。
改善ということで送信費用の節約と考えてしまいます。
安いFAX業者を使って、送信単価を下げれば、改善できると思ってしまいます。
しかし、1送信10円を5円の業者に変更しても、1万枚では10万円が5万円になるだけで人件費をまかなえるとは思えません。
改善の方向性は、経費削減よりも成約数の増加です。
成約数の増加のためのポイントは下記になります。
- 反応率をあげる
- 成約率をあげる
- 送信枚数を増やす
- その他
それぞれの詳細を述べていきます。
反応率をあげる
FAXDMの反応率を0.1%で計算していますが、これを0.2%に向上できれば、同じ費用で2倍の集客ができますので、成約数が増えます。
改善の打ち手は、原稿の改善、オファーの改善、ホームページの改善になると思います。
取引が全くない見知らぬ相手にFAXを送っているわけですから、反応率は工夫をしないと高くなりません。
でも、取引をしている相手であれば、反応率は違ってきます。
根底にある考え方としては、FAXDMでは見込み客化を行って行くというものです。
オファーとして、セミナーだけでなく、小冊子やDVDを用意して、セミナーに来てもらわなくても、小冊子やDVDをプレゼントして、自社との関係を持ってもらいます。つまり見込み客化です。
そのようなところに、FAXDMを送れば、全く知らない相手からFAXDMが届いたということではないので、反応率は上がってきます。
また、セミナーに来てもらって成約しなかっとしても、継続的にセミナーの案内を送ればいいのです。
一度でもセミナーに来てもらえれば、バックエンド商品の見込み客なのですから。
もちろん角度の違うセミナーを開催して足を運んでもらうようにします。
つまり、FAXDMを送る毎に見込み客の数を増やして行くのです。そうすれば自ずと反応率がアップしていきます。
このような考えを持って、原稿の改善、オファーの改善、ホームページの改善をしていきましょう。
成約率をあげる
セミナーへ誘導できてもバックエンド商品の成約数が少ないと困りものです。
バックエンドの商品サービスの契約までの導線作りをしてください。
成約率が低いのは、見込み客にとっては、購入へのハードルがまだまだ高いかも知れません。
ハードルが高いようであれば、バックエンドの契約の前に、導入しやすい商品を提案した方がいいかも知れません。
また、商品の魅力が上手く伝わっていないかも知れません。
機能やサービスなどのスペック情報ではなくて、ユーザー事例を交えた効果の見せ方に工夫が必要です。
ユーザー事例が少ないなら、モニター価格として料金を下げて、その代わり事例に登場してもらうようにしましょう。
これをやれば事例が増えますし、ユーザー事例を見た見込み客には期待感が出てきます。
事例が豊富であればあるほど、食いつきがよくなるので、事例として紹介できる顧客を探すという気持ちでやって行くことがあとに繋がります。
セミナーでは、顧客との会話から顧客の課題、食いつきの良いネタなどを見つけては、商品やサービスの打ち出し方や次回のセミナー案内の原稿、セミナーに反映して行きましょう。
送信枚数を増やす
FAXDMの送信枚数を増やせば、その分、セミナーへの集客数も増えます。
ある程度の反応率の改善ができれば、考えて欲しい打ち手です。
また、ある程度送信すると、送る先がなくなってくるので、自分でリストを収集する必要になってきます。
私も最初の頃は、FAXDM業者のリストだけでしたが、今や自社の顧客になり得る業界のリスト数は、業者が持っているリストよりも多いです。たぶん業界で一番のリスト数だと思います。
その他
その他にも下記のような打ち手があります。
- 平均の継続期間を延ばす
- 商品単価を上げる
- 既存顧客に新たな商品を勧める
立ち上げ時には広告宣伝比率は高めになる
ダイエットにコミットする「ライザップ」は有名ですよね。この会社の広告の使い方が参考になるかもしれないので紹介しておきます。
1つの会社で売上高広告費比率の推移に注目するのも面白い。たとえば減量ジムで有名になったRIZAPグループの売上高広告比率を見てみると、上場直後(当時の社名は健康コーポレーション)の2007年は売上高の60%。その後2009年には16%まで落ちる。
だが、「ライザップ」ジム開業後の2013年には再び24%まで上昇。以降は下降し続け、直近2017年3月期の売上高広告費比率は10%程度である。売上高は10年間で9倍近くになり、印象的なテレビCMの影響で知名度も依然として高い。ビジネスのうまさはもちろんだが、上場時や新規事業の開始時など、広告におカネをかけるべきタイミングで惜しみなく投資した成功例といえるだろう。
参考までに上場企業のものになりますが、
他社の広告宣伝比率というのが参考になります。
毎年、東洋経済が発表している広告宣伝比率が高い200社というものがあります。
順位 | 社名 | 売上高広告宣伝比率 |
---|---|---|
01 | アドベンチャー | 65.6% |
02 | キャリアインデックス | 50.0% |
03 | アトラエ | 42.9% |
04 | エイチーム | 40.6% |
05 | ガーラ | 38.5% |
06 | Gunosy | 38.0% |
07 | ファーマフーズ | 34.3% |
08 | エボラブルアジア | 31.7% |
09 | ビーグリー | 31.6% |
10 | パピレス | 30.2% |
11 | ユーグレナ | 28.9% |
12 | LIFULL | 28.0% |
13 | じげん | 24.8% |
14 | 駅探 | 23.7% |
15 | ヤーマン | 23.5% |
16 | エムティーアイ | 23.1% |
17 | 北の達人コーポレーション | 22.5% |
18 | ディップ | 22.2% |
19 | リブセンス | 21.1% |
20 | ティーライフ | 20.6% |
1位の会社は、航空券比較のを運営している会社で、社員が22名。売上52億円で、利益4億円の会社です。
この20位までの会社は、広告宣伝比率が 20%以上になってますが、広告をつっこめばそれだけ売上があがることがわかっているのでしょうね。
FAXDMで効果が出るまで、ある程度の期間が必要です。当分は、赤字かもしれません。
ある程度、続けられる予算を確保して、続けられる間に改善をして行きましょう。