ここでは、クレームに対する基本的な考え方を書きたいと思います。
ただ、今回書くのは、心の痛みを和らげるための免罪符的なものであって、くれぐれもクレームを言っている先方に言わないようにお願いします。
言ってしまうと、火が付きますからね。
普段の営業活動の一環
そもそも事業所というものは、一部完全下請けでない限り何かしらの営業活動をしているはずなんです。
でないと、お客様はできないし、お客様ができなければ、会社は潰れてしまいますからね。
昔からの取引先だけで食べているという引退直前の個人事業主もいるかもしれないけど、そんなのはほぼ皆無と思った方が良いです。そう考えると、FAXDMを送信した事業所も同じなんだってことがわかりますよね。
確かに先方に紙とインクを使わせてしまっている
そこで一番のネックは、FAX機から出力されるコピー用紙とインク代です。
これを金額的な視点から考えてみましょう。A4コピー用紙500枚の価格は、600円とします。もちろん、うちは1000円のコピー用紙を使っているというコスト意識の薄い会社もあるかもしれませんが、概ね500円代であり600円を見ておけば良いと思います。
すると1枚当たり1.2円ぐらいになります。
それにインク代ですよね。多くの企業ではキャノンであったりリコーであったりと保守契約をしていると思います。
その1枚の単価は中小企業ではモノクロ1枚で概ね3円から5円となりますよね。
間を取って4円としましょう。
すると、コピー用紙とインク代と合わせて、5.2円となります。
確かにこちらの営業の為に5.2円を使わしてしまって申し訳ないと思います。
でも他の営業手法と比べてどうでしょうか?
では、テレアポならどうでしょうか?
電話代金は発信側の事業所が支払いますので、受け手の会社には損害はありません。
しかし、電話を掛けると誰かが受話器をあげますよね。「いつもありがとうございます。●●会社の△△です」といった挨拶から要件を聞いて、営業電話ということでお断りして切りますよね。
この間、30秒としましょう。
受話器を取る人の時給っていくらでしょうか?
1000円それとももっと高額の人が出れば数千円になると思います。
ここではわかりやすく1000円で計算してみると、30秒に時給は8.3円になります。
郵便のダイレクトメールなら、受け手から開封或いは即ゴミ箱なら5秒とすれば1.3円です。
飛び込み営業なら・・・
営業を受ける側は、常にコストが掛かっている
僕が言いたいのは、金額の序列ではなく、営業を行うにあたって、必ず営業を受ける側にいくばくかのコストが掛かっているということです。
営業会社である以上、必ず営業を行うわけですので、クレームを言っている方の会社も必ず他社のコストを使って営業活動をしている以上、お互い様だと思うのです。
ただ、コストが見えやすいか、見えにくいかの差だけなんですよね。
僕の事務所であった話。どちらがコストが掛かっているか?
僕は、数年前に事務所であるクレームを受けていました。
数百キロ離れた営業所からコピー代とインク代に対するものでした。
かなり何度も電話をかけてこられたり、こちらからも電話をしたりしていました。
でも、そのクレームの前後に数キロ離れた同じ会社の営業所から飛び込み営業が頻繁にあり、かなり熱心な営業マンで、うちみたいな小さな事務所で社長である決裁権者が目の前にいるといつまでも帰りませんでした。
僕は思ったものです。僕が数百キロ離れた営業所に迷惑をかけた5.2円よりも、何度も事務所に訪問し、事務所に10分なり居座ることによる僕や事務スタッフの仕事ができない時間の時給換算とどちらが高くなるのか考えて欲しいと思ったのです。
しかし、それとこれとは違うので、結局は個別に対応しました。
FAXDMへの罪悪感を解消
営業活動は、必ず営業先にコスト負担をかけるのです。
むしろFAXDMが先方に迷惑をかけるコストが非常に少ない、少なくても小さなコストを上回ることがない優れた営業手法だとも言えるのかもしれません。
こんなことを先方に言ってしまうと「火に油を注ぐ」結果になりますので言えません。
でも、ご自身がクレームを受けて罪悪感を感じたらこれを思い出してもらえれば心が晴れると思います。
さらに、社員が罪悪感を感じていたりするなら、この話をしてあげてください。